幻想の魔術師 カレル・ゼマン
大好きな大好きな、カレル・ゼマンの100周年記念DVD BOXが届いた!
カレル・ゼマンの作品を初めて観たのは、高校生の頃かな?17〜19才くらい時期だったと思う。
当時一番好きだったのが、切り絵の作品のホンジークとマジェンカ(1980年作品)
切り絵作品だからなのか、観ていると本の世界に引き込まれていような感じがする。
なんと言うか、、映像を観ているんだけど、一人で本を読んでいるような感覚と言うか。
それがなんとも心地良い。
ホンジークの穏やかな表情がまたよい。朴訥というか純朴というか。
森の妖精マジェンカと出会うシーンもとてもロマンティックだなあ。
彼女を追いかける為の羽が欲しいが、
そのためには悪魔の力を借りなければいけない。
人間の世界には邪悪なものがたくさんある、と王女さまは言うけれど、
「でも、その代わり喜びや幸せもある、私は人間になりたいのです。」
マジェンカはそう訴え、人間にしてもらう。
悪魔の羽を手に入れて、森の妖精の住むお城へ来たホンジーク。
しかしすでにマジェンカは人間になってお城を出ていた。
初期の頃はプロパガンダ的作品も作っていたカレル・ゼマンですが、
この愛と幸せを説いた作品が最後の長編作品とのこと。
人が人を思うこと、思い合うこと、思いを育んでいくことの尊さについて考えさせられる。
月並みな感想だけど、自分に子供ができたら観せたい作品だな。